腱板断裂の手術がうまい名医の探し方 肩専門医解説

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歌島 大輔
歌島 大輔
スポーツ整形外科医師(非常勤)景翠会 金沢病院
スポーツ整形外科専門医師(川崎市立井田病院・景翠会 金沢病院・さくら通り整形外科 各非常勤医師)として外来診療・手術を行っている。ケガやスポーツ障害という「マイナス」から元通りという「ゼロ」を目指すのではなく、パフォーマンスに変革をもたらす「大きなプラス」を一緒に目指す情報発信やコーチング活動をライフワークとする。

「腱板断裂ですね。手術したほうがいいかもしれません。」

昔は腱板断裂はある程度皮膚を切開して、直接断裂部を見てから手術をしていました。ある程度、研鑽を受けた整形外科医であれば肩を専門にしていなくても手術できたわけです。

しかし、ここ10年で腱板断裂の手術は関節鏡手術の方が多くなっています。この関節鏡で腱板を縫うという手術は、頑張れば・・・肩専門でなくてもできますが、でも、同じ手術時間で同じできあがりとはいきません。
やはり、専門家には劣ってしまうというのが一般的です。

arthroscope surgery

名医か名医でないかというのは非常に難しい問題で、テレビに出れば名医なのか?いっぱい手術すれば名医なのか?というと
そうではないと思いますが、

でも、肩を専門としているかどうかというのは、もう少しわかりやすいかもしれません。

 

どちらにしろ腱板断裂の手術は上手な人にやってもらうに越したことはありませんから、名医を探したくなる気持ちは良くわかります。少しでもその助けになればと思います。

そもそも腱板断裂ってどういう状態か?ということを正確に捉えることも大切ですので後半の腱板断裂のおさらいコーナーもご参考にしてください。

こんにちは、肩を専門とするスポーツ整形外科医の歌島です。本日も記事をご覧いただきありがとうございます。

それではいきましょう!

腱板断裂の手術件数が多いと名医!?

まず想像しやすいのが腱板断裂の手術件数の多さですね。
これが多ければ名医なんじゃないか?と思いがちです。

これは間違いではないんですが・・・

じゃあ、年間30件より50件、50件より100件、100件より200件ときれいに比例関係にあるか?と言うと、もちろんそうはいきません。

  • 腱板断裂の手術の名医だから患者さんが集まってくるのか?
  • 周囲の開業医さんとの関係が良好だから集まってくるのか?
  • 人間性がいいから集まってくるのか?
  • 病院そのもののネームバリューで集まってくるのか?
  • 近くに競合となる病院がないだけなのか?

いろんな要素があります。

手術件数の目安:やはり少ないと不安ですよね

ただ、やはり手術件数が年間数件しかないとかだと、あまり上手じゃないのかな?と思っても仕方ないかなと思います。

僕の感覚ですが、
肩関節鏡手術が1ヶ月に1件ないというのはちょっと心配です。

年間20件以上はほしいところです。

僕の場合は腱板断裂だけにしぼると年間50件くらいじゃないかなと思います。だいたい、毎週の手術があるようなイメージですね。
そうなると腕がなまるという感じもないですし、最新の手術器具や手術テクニックも学びながら毎年のように成長できている実感があります。

手術件数の探し方

手術件数の探し方ですが、現時点では腱板断裂の手術件数をすべての病院で調べられるような公開されたデータベースはありません。

そのため、その病院の整形外科のページで手術件数が公開されていれば、それを見るしかありません。

そこで

  • 関節鏡下腱板断裂手術
  • 腱板断裂手術

という項目があればわかりやすいですが、なくても

  • 肩関節鏡手術

という項目があれば注目です。

肩関節鏡の手術で一番多いのは腱板断裂です。僕の場合は70%くらいが腱板断裂ですが、地域や病院の特性によってもその割合は違うと思いますが、だいたいは半分以上が腱板断裂ではないかと思います。

そこで推測できますね。

肩を専門としているかどうかを見極めるには?

次にその医師が肩を専門としているかどうかの見極め方です。

一番は

「先生のご専門は整形外科の中ではどちらですか?」

と聞いちゃうのが一番ですね。

ただ、まだ、直接会ってない段階で調べるのであれば、
やはり、病院のホームページですね。

そこで専門を記載しているところも多いですし、それがなくても所属学会で肩関連の学会(主に日本肩関節学会)に入会しているか?というのもポイントです。

肩を専門としているのに日本肩関節学会に入っていない人は・・・相当少ないはずです。

手術の体験談を参考にするとロクなことがない

やりがちな間違いとしては、

周りの患者さん仲間の評判を盲信してしまうことです。

参考にするのはいいのですが、たった数人程度から聞いた評判を元に決めてしまうのはもったいないです。

極端な話、同じ腱板断裂の手術を受けた患者さんの体験談すら、あなたに適応できる話でないことが多いと思ってください。

腱板断裂でも重症度ももともとの筋力や関節の状態、体力、持病・・・全部違いますから、1人として同じ経過を辿ることはありません。

周りの人の評判は医師の人間性や病院のホスピタリティの参考に

ですから、周りの人の評判は

「あの先生は説明もわかりやすくて、いい先生」
とか、

「あの先生は全然こっちの話を聞いてくれない」
「あの先生は怖くて質問できない」

とか、

人間性やキャラクターの参考にしたり、
(それも主観たっぷりで参考程度にしていただきたいですが)

病院のキレイさ、看護師さんやスタッフのホスピタリティーなどの評判を聞くという程度にしたほうがいいかなと思っています。

最終的には実際に診察を受けて、話を聞いて判断

結局、最終的に一番大切なのは

一度診察を受けることです。

そして、手術内容も含めたお話をしっかりと聞いた上で判断することに勝るモノはありません。

直接、話を聞くときのオススメ質問

話を聞くときに、こんなことを質問してみてもいいかもしれません。

  • その医師の整形外科の中での専門部位
  • この手術は年間何件くらいやっているか?
  • 手術をしない場合の治療や考え得る経過
  • 手術の結果が思わしくないことがあるとしたらどんなことが考えられるか?

肩腱板損傷の基本まとめ

肩腱板損傷の基本については、
こちらで丁寧に解説しておりますが、
簡単におさらいいたします。

肩腱板損傷に特徴的な症状はあるのか? 肩専門医解説

2016.12.11

肩腱板と呼ぶのは大切なインナーマッスルの腱の合流部

肩腱板(かたけんばん)

これって、ということですが、
それぞれ解説いたします。

」なのですが、

筋肉は骨にくっ付く前に
より筋張って、硬めの線維に移ります。
この筋肉の続きの硬めの線維を「腱」
と言います。

次に「板」ですけれども、
これは解剖学な言葉というよりは、
ビジュアル的な特徴を表したモノです。

肩のインナーマッスルと呼ばれる、
深いところ、関節に近い部分にある筋肉の中で、

特にメインの筋肉が
4つあるんです。

それぞれ

  1. 肩甲下筋
  2. 棘上筋
  3. 棘下筋
  4. 小円筋

という名称がついています。

画像引用元:肩関節鏡下手術 (スキル関節鏡下手術アトラス)第1版 文光堂

画像引用元:肩関節鏡下手術 (スキル関節鏡下手術アトラス)第1版 文光堂

これらの4つの筋肉が、腱と化して、
最後には合流して「板」状になっているので、

「腱板」となっています。

すなわち、肩腱板というのは、
4つのインナーマッスルの腱が
最終的に合流した箇所であり、

腱板筋群とは腱板を構成する
4つのインナーマッスルのこと

ということです。

肩腱板損傷はただの筋損傷、筋断裂とは異なる

この肩腱板が、負傷してしまう。
それはつまり切れてしまうことになりますが、

これを他の部分の筋肉の断裂と
同じとは考えない方が望ましいです。

通常、筋肉が切れても、
だんだんと再生されて、

ある程度の強度を持って、
筋肉が繋がり、くっつきます。

つまり、よほどの重度じゃない限りは、
筋肉や腱の損傷は回復し、くっつきます。

肩腱板断裂は日にちがたってもくっつかない

しかし、肩腱板損傷については
時間が経ってもくっつかないことがほとんどです。

その大きな理由は、

肩腱板損傷は骨から腱板が
剥がれるように途切れてしまうからです。

骨と腱という

カタいものと
スジなる線維

これがくっ付くというのは、
筋肉同士や腱同士がくっつくことにくらべ、
困難であるということを意味します。

そのため、
ほとんどの腱板損傷は
時間がたつにしたがって、
むしろ悪い状態になっていきます。

肩腱板損傷の完全断裂と部分断裂(部分損傷)に関して

肩腱板損傷にも
損傷の重症度が存在します。

そのうちでも明確な境界線が、

完全断裂or部分断裂ということなのです。

それには肩腱板の厚さについて
押さえる必要があります。

腱板はしっかりした、厚い組織です。
そして、複数の層にわかれています。

肉眼レベルで言えば、
浅い層と深い層の2層構造で捉えています。

そのままの名称ですが、
浅層深層です。

この肩の腱板は関節の中と外を隔てておりますが、
浅層も深層も切れてしまう、完全断裂となると、

関節の中と外がつながってしてしまいます。

よく関節鏡という内視鏡で手術を行いますが、
関節の中を覗いていても、
完全断裂をすると、腱板の断裂部から、表層が見えます。

腱板断裂について詳細についてはこちらの記事をご参照ください。

腱板断裂(損傷)をわかりやすく基本から治療まで解説

2017.10.30

まとめ

今回は腱板断裂の手術の上手な名医の探し方というテーマでお届けしました。
名医というのは定義が難しく、おそらく、患者さんによってベストマッチする医師というのは、
全然違うというのが真実に近いかもしれません。

そんなベストマッチする医師に出会う手助けになればと思います。

僕は周りから名医と言われるほど有名な整形外科医ではありません。ただ、名医と呼ばれてもいいくらいの実力と熱意を持って手術にあたるというのは常に心がけています。

そうでないと僕の手術を受けてくださる患者さんに失礼ですからね。

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おかげさまでたくさんのご相談をいただいております。どうしてもゆっくり時間をかけて1人1人と向き合えないのが悩みですが、それでも、患者さんの希望、理想的にはゴールをできるだけ掴んで、お手伝いできること・ご提供できることを常に探しながら診療しております。

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