肩を回すとゴリゴリ音が鳴るときの原因と対処法を肩専門医が解説

スポンサード リンク

The following two tabs change content below.
歌島 大輔
歌島 大輔
スポーツ整形外科医師(非常勤)景翠会 金沢病院
スポーツ整形外科専門医師(川崎市立井田病院・景翠会 金沢病院・さくら通り整形外科 各非常勤医師)として外来診療・手術を行っている。ケガやスポーツ障害という「マイナス」から元通りという「ゼロ」を目指すのではなく、パフォーマンスに変革をもたらす「大きなプラス」を一緒に目指す情報発信やコーチング活動をライフワークとする。

今回は肩を回すと音がゴリゴリだったり、ゴリっとだったり、コキコキだったりするときに、その原因はなんなのか?ということと対処法はどうしたらいいのか?ということについて解説したいと思います。

関節の音が今まで鳴らなかったのに、鳴りだした。

これは痛みがあろうとなかろうと少しは心配になりますよね。

 

何かが切れちゃったんじゃないか?
何か引っかかってるんじゃないか?

そんな心配がおありだろうと思います。

ていねいに調べていくことによってその原因を推測することができますので、肩の専門医としてどういうところに注意しながら拝見しているかをできるだけわかりやすく解説していきたいと思います。

こんにちは、肩を専門とするスポーツ整形外科医の歌島です。本日も記事をご覧いただきありがとうございます。

それではいきましょう!

肩を回すとゴリゴリ音が鳴るときの原因

肩を回すとゴリゴリ音が鳴るというときに、その原因を推測する方法を解説していきます。

どこが鳴っているか触りながら調べる

一番最初にまず調べるのは、

「肩のどこで音が鳴っているのか?」

ということです。

 

大雑把に言っても

  • 肩関節の前
  • 肩関節の後ろ
  • 肩甲骨の内側辺り

このくらいには判別しておきたいものです。

さらに、肩を回すと言っても、
どのような動きでどのタイミングでゴリゴリ音が鳴るか?

ということも大切です。

では、それぞれ考え得る原因の特徴について解説を加えていきます。

肩こり

まずは意外と多い「肩こり」です。

肩こりは肩甲骨と背骨を繋ぐ筋肉の緊張、カタさが原因と考えられています。

 

肩を回すときに肩甲骨も動きます。

肩甲骨周りの筋肉のカタさが原因で、スムーズな動きができずに音がゴリゴリ鳴ってしまう。これはよくあることです。

この場合は肩甲骨の内側や上側など、肩甲骨周りで音を感じるはずです。そして、肩を大きく動かすと肩甲骨がより動きますのでゴリゴリが強まると思います。

肩峰下インピンジメント症候群

肩峰下インピンジメント症候群というものがあります。

これは肩峰という肩の外側の出っ張りやそこにくっつく靭帯(烏口肩峰靭帯)と下の腱板というインナーマッスルの間でこすれたりする状態です。

そのため、肩を回すとゴリゴリ音がすることもあり得ます。

詳しくはこちらの記事もご参照ください。

インピンジメント症候群とは?肩専門医が解説

2016.12.12

この音は肩の前から外側にかけて感じることが多いと思います。
動きとしては、肩の挙上+内旋という動きでインピンジメントが起こりやすいので、このような動きでゴリゴリ音が鳴るかもしれません。(刀を持っている方の肩の動きです)

腱板断裂

さきほどの肩峰下インピンジメント症候群の結果としても起こりうるのが、腱板断裂です。

画像引用元:肩関節鏡下手術 (スキル関節鏡下手術アトラス)第1版 文光堂

また、インピンジ以外でも外傷やオーバーユース、加齢によっても腱板は切れてしまうことがあり、その場合は腱板断裂の結果、炎症が起こったり、肩の動きが悪くなって、インピンジメント症候群になってしまうこともあります。

つまり、肩峰下インピンジメント症候群と腱板断裂はお互いがお互いの原因にも結果にもなります。

腱板断裂についてはこちらの記事もご参照ください。

腱板断裂をまるごと肩専門医が解説

2017.10.30

 

ゴリゴリ音は結果としてインピンジの時に鳴ると思いますので、同様に

肩の前から外側にかけて感じることが多く、
肩の挙上+内旋という動きでゴリゴリ音が鳴るかもしれません。

ただ、腱板断裂は前の肩甲下筋という筋肉から後ろの棘下筋(小円筋)という筋肉までどこが切れているかで症状は変わってきます。

肩を回すとゴリゴリ音が鳴るときの原因別対処法

これら肩を回すとゴリゴリ音が鳴るときの原因が推測できたところで、結局推測ですから、大事なのはしっかりと診察、検査を受けるということです。

ただ、原則としては、

痛みのないゴリゴリ音はそこまで心配しなくていいです。
あまりむやみにゴリゴリ音はさせないほうがいいかと思いますが、基本的には様子を見ても大丈夫だと思います。

ゴリゴリ音とともに痛みがある場合は治療対象になりますので、しっかりと病院を受診しましょう。

では、原因別の対処法です。

肩を回すと音が鳴る原因1:肩こり

肩こりでゴリゴリ音が鳴る場合は、その鳴る場所、筋肉をできるだけ特定して、その筋肉の周囲を軽くマッサージするというのは効果的である可能性があります。

ただ、強くもみすぎれば逆効果ですので、痛みを感じない程度にやりましょう。

 

そのほかは基本的には筋肉のコンディションを良くするということに尽きます。

いろいろな方法がありますが、ここでは肩甲骨をよく動かして血流を良くするという方法をご紹介します。

この筋肉性の痛みにおいては
緊張状態が悪循環の原因であり、

さらに言うと、その筋肉の血流(血の巡り)が
停滞していることも原因と言われています。

そこで治療としては筋肉を使って、伸ばして、リラックスする
ということが必要と考えています。

筋肉は使えば血流はよくなります。
しかし、使うだけでは筋肉の緊張は高まる一方ですので、
そのあとに、思いっきり緩んでリラックスして、
そして、筋肉を伸ばすことが大切です。

つまり、原因筋を思いっきり

  • 緊張とリラックス
  • 縮む(収縮)ことと伸ばすこと(伸張)

をしましょうということです。

肩こりで肩を回すと音が鳴るときのエクササイズ

それでは実際のエクササイズについてですが、

基本のメカニズムは

漸進性筋弛緩法+ストレッチ

ということになります。

漸進性筋弛緩法というのは、リラックス法の1つです。

昔から知られる方法で、
アメリカの精神科医が開発した方法です。

筋肉を10秒間緊張させた後、
ストンと一気にゆるめることを繰り返して、
体の緊張をほぐす方法ですが、

これをちゃんとエクササイズ&ストレッチにしてしまおう
というのがコンセプトです。

伸ばすときはイメージも言葉も使ってリラックス

力を入れたあとの脱力、そしてストレッチのフェーズでは、

伸ばしているゾーンの筋肉がとろとろに柔らかくなる
イメージを言葉とともに描いてください。

このイメージや言葉は自由です。

豆腐がよければ、
「豆腐になーる・・・豆腐なーる・・・」

ゴムならば、
「ゴムがのび〜る・・・ゴムがのび〜る」

別にモノじゃなくても、
「とろとろにな〜る・・・」

でもなんでも、

自分の感性で柔らかくなりそうなイメージを重視してください。

言っておきますが、
完全に大まじめですからね。

筋肉の緊張度合いを決めているのも
脳と自律神経で、

その脳が描くイメージが
緊張度合いに関わらないはずがありません。

大まじめです。
下手したら最重要です。

上ゾーンエクササイズ

まずは上ゾーンエクササイズです。

僕の場合は肩こりも筋肉を3つのゾーンに分けて解説しておりますので、
詳しくはこちらをご参照ください。

肩の他に首や背中が痛いときの原因と治療 専門医解説

2017.11.22

これはまず
全力で肩すくめを行います。10秒です。

そして、一気に肩を落としリラックスします。
ここでただただ脱力を10秒
そこからさらに首を側屈+逆回旋して、
さらに僧帽筋上部線維を10秒ストレッチします。

次に、さきほどと逆に首を側屈+逆回旋して、
同様にストレッチします。

この首を側屈+逆回旋というのは、
例えば右をストレッチしようとすれば
左に側屈(傾ける)して、右回旋(右を向く)する
ということです。

下ゾーンエクササイズ

では、次に

下ゾーンエクササイズです。

これは肩甲骨を主に内側に、背骨側に寄せる動きです。

CATエクササイズが最も
この動きが幅広くやりやすいのですが、
脱力感を出しにくいのが欠点です。

うまくイメージして
リラックスできる人は
CATエクササイズで下ゾーンの筋肉を
とろとろにしてみてください。

もう一つの方法として
この動画の動きを参考にしてみてください。

このように肩を水平外転しながら
肩甲骨を内側に寄せていきます。
これを10秒全力キープして、

そのあとはこの動画よりもはるかに、
頭も腕も肩もバランスボールに全部あずけて
脱力&ストレッチです。(20秒リラックス)

肩を回すと音が鳴る原因2:肩峰下インピンジメント症候群

肩峰下インピンジメント症候群の場合の対処法は、まずは腱板(インナーマッスル)をより働かせて肩を動かせるように、

インナーマッスルのトレーニングが基本です。

肩のインナーマッスルの鍛え方 トレーニング動画で by専門医

2017.03.11

このトレーニングでインナーマッスルが使えるようになると肩を動かす時に肩の回りがよくなって、安定的に動くので摩擦が起こりにくくなります。

インナーマッスルの基本チューブトレーニング

インナーマッスルというのは、
大きな力を発揮するモノではないので、
強い負荷をかけても効率が下がるばかりで、
トレーニングになりません。

そのため、弱めの負荷でトレーニングします。

イメージとしては、
弱めの負荷でも肩を安定的にゆっくり動かす。
もしくは、リズミカルに動かすことで、

肩の動作中に
よりインナーマッスルを使う

ということを脳に覚え込ませる。
そんなイメージです。

また、肩は消耗品と呼ばれる中で、
このインナーマッスルトレーニングを
「貯筋」トレーニングと呼ぶ人もいます。

では、このインナーマッスルトレーニングの
基本3つを紹介いたします。
動画をそれぞれご参照ください。

棘上筋を鍛えるトレーニング

これは棘上筋という筋肉のトレーニングで、
トレーニング中に肩甲骨の上の方
熱い感じになれば効いている証拠です。

棘下筋を鍛えるトレーニング

これは棘下筋という筋肉のトレーニングで、
トレーニング中に肩甲骨の真ん中あたり
熱い感じになれば効いている証拠です。

肩甲下筋を鍛えるトレーニング

これは肩甲下筋という筋肉のトレーニングで、
トレーニング中に胸筋の奥の方
熱い感じになれば効いている証拠です。

 

さらに、肩峰下のスペースにステロイドやヒアルロン酸の注射を打って炎症を抑えること

内視鏡を使った手術として、肩峰の下や靭帯を削る、いわゆるクリーニング手術も有効です。

arthroscope surgery

肩を回すと音が鳴る原因3:腱板断裂

腱板断裂の場合は、ごく小さい断裂の場合は自然に治癒することもありますが、多くの腱板断裂はむしろだんだんと拡大していってしまいます。

そのため手術で治すことは積極的に検討していいと思っています。

もちろんリスクやデメリットとのバランスを考える必要がありますが。

 

腱板断裂の手術についてもこちらをご参照ください。

腱板断裂をまるごと肩専門医が解説

2017.10.30

腱板断裂が原因で肩に音が鳴る、痛みが出るというときに、多くはインピンジメントが起こっていることを説明しましたが、そのため、腱板を縫うだけでなく、肩峰の下を削るようなインピンジメント症候群に対する手術も同時にやることが多いです。

まとめ

今回は肩を回すとゴリゴリ音が鳴るというときにどのように原因を推測し、どのような対処法があるのか?ということを解説いたしました。

音がしても痛みがない場合は、それは病的な状態ではないことが多いので様子をみてもいいと思いますが、痛みがある場合は整形外科の受診をオススメします。

スポンサード リンク

当サイト管理人 歌島の診察希望


当サイト管理人の歌島は関東の複数の病院で診療を行っております。

おかげさまでたくさんのご相談をいただいております。どうしてもゆっくり時間をかけて1人1人と向き合えないのが悩みですが、それでも、患者さんの希望、理想的にはゴールをできるだけ掴んで、お手伝いできること・ご提供できることを常に探しながら診療しております。

プロフィールはこちらをご参照ください。
スポーツコーチングドクター歌島のプロフィール

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

ABOUTこの記事をかいた人

歌島 大輔

スポーツ整形外科専門医師(川崎市立井田病院・景翠会 金沢病院・さくら通り整形外科 各非常勤医師)として外来診療・手術を行っている。ケガやスポーツ障害という「マイナス」から元通りという「ゼロ」を目指すのではなく、パフォーマンスに変革をもたらす「大きなプラス」を一緒に目指す情報発信やコーチング活動をライフワークとする。