肩の痛みで寝れない・眠れない原因と対処法 あなたはどのパターン?

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歌島 大輔
歌島 大輔
スポーツ整形外科医師(非常勤)景翠会 金沢病院
スポーツ整形外科専門医師(川崎市立井田病院・景翠会 金沢病院・さくら通り整形外科 各非常勤医師)として外来診療・手術を行っている。ケガやスポーツ障害という「マイナス」から元通りという「ゼロ」を目指すのではなく、パフォーマンスに変革をもたらす「大きなプラス」を一緒に目指す情報発信やコーチング活動をライフワークとする。

肩の痛みがあって眠れないというお話は肩専門医として、
整形外科の外来をやっていると毎日のように聞きます。

一般的に夜間痛というのはレッドフラッグサイン(赤旗徴候)と言って、重症なものが隠されているかもしれない、いわゆるあぶないサインなんですが、

肩の場合はあまりにもありふれた症状で肩の痛みはたいてい夜に強まると言ってもいいかもしれません。

しかし眠れない程の痛みというのは体力も回復しないし、疲弊していくばかりで非常に困りますよね。その原因と対処法をケース別にまとめて、お伝えできればと思います。

こんにちは、肩を専門とするスポーツ整形外科医の歌島です。本日も記事をご覧いただきありがとうございます。

それではいきましょう!

肩の痛みが夜間に強まり寝れない・眠れない状態になる理由・メカニズム

肩に関しては特に夜間痛が多いといわれています。

その原因はまだ完全に判明はしていませんが、有力な2つの説があります。

どちらの説も普段は心臓より高い位置にある肩関節が夜間、眠るときは心臓と同じくらいの高さになってしまうという位置関係の変化がベースにあると考えられています。

  • 血流(血の巡り)変化説
  • 肩の関節内圧(圧力)変化説

血流が変化するから寝れない肩の痛みが出る説

もともと心臓より高い位置にある肩関節ですから、肩関節の血の巡り、特に静脈の流れは重力も助けてくれて腫れにくい、むくみにくい状態になっています。

しかし、夜間はその高さの差がなくなるので重力を使った静脈の流れが弱まり、肩の血の巡りが悪くなり、それが関節の浮腫や腫れの原因となる(目に見えるほど腫れることはほとんどないですが、もっと微細なレベルでの話です)

それは例えば、極論ですが、一日中逆立ちしていれば顔がむくんでしまうに違いないってことでイメージできますね。

 

また、夜間は体温が下がりますので、全身の血の巡りが落ちることも1つの要因と考えられています。

 

肩の関節内圧が変化するから眠れない肩の痛みが出る説

次に心臓との位置関係の変化による影響として、肩の関節内圧や滑液包という袋の内圧が高まってしまうのではないか?ということも考えられています。

関節の中は関節液で満たされており、また滑液包という関節周囲の袋の中にも滑液という液体があります。そういった空間には圧力がかかり、その圧力が大きければ、痛みを出します。

 

夜間は心臓との位置関係で液体が溜まりやすい状態になっているわけですから、その圧力が高まるというメカニズムは多少なりとも働いているはずです。これが夜間痛で眠れないなんて状態の1つの要因となっていてもおかしくないと思います。

肩の痛みで寝れない・眠れない(=夜間痛)の原因をパターン別に

肩の痛みと言っても部位で大きく2つにわけられます。

1つはまさに肩の関節とその周囲の痛みです。
肩とは上腕骨と肩甲骨からなる関節ですから、まさにこの部分の痛みが肩の痛みとして捉えられると思います。

しかし、もう一つ、肩が痛いとおっしゃるときに、それは肩こりや首近くの痛みだったりすることも多いです。

この2つは明確に区別して考えた方がいいと思いますが、だいたいどこが痛いですか?と聞くと、反対の手で「このあたりです」と触れる場所で区別できます。

肩関節とその周囲の痛みはこのような感じ、

 

首や肩こりの延長線上の痛みはこのような感じです。

肩関節そのものの痛み、それも激痛で眠れない

まず肩関節自体の痛み、それも激痛、つまり激しい痛みの時には何が考えられるか?ということです。

このような眠れない激痛で、時に救急外来にもいらっしゃることが多いのが

石灰沈着性腱板炎というものです。

画像引用元:肩関節外科の要点と盲点 (整形外科Knack & Pitfalls)第1版 文光堂

これは腱板という肩のインナーマッスルのスジにカルシウムなどを成分とする石灰が沈着して、炎症を起こしてしまう状態です。

原因は変性という加齢性の変化がベースにあると考えられていますが、まだ明らかではありません。

こちらの記事もご参照ください。

肩の突然の痛みは何が考えられる?専門医解説

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肩関節そのものの鈍痛で気になって眠れない

肩関節そのものの痛みでも、激痛ではなく鈍痛で気になって眠れないということもあると思います。

この場合は考えられる疾患・診断は多岐にわたりますが、じわじわっと肩の関節やその周囲に炎症が続いているということが多いですね。

診断で言えば四十肩・五十肩と呼ばれる肩関節周囲炎は全体的に見ても一番多い原因だと思いますが、特に考えておくべき状態をリストアップしておきます。

  • 特に激しいスポーツ歴などがない40–60歳:四十肩・五十肩
  • 激しいスポーツ歴・仕事の負荷が強い:肩鎖関節症(炎)
  • 60歳以上:腱板断裂

こちらの記事でそれぞれの詳細についてもご参照ください。

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肩腱板損傷の治療方法まとめ 肩専門医解説

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肩こりや首の痛みがつらくて眠れない

肩こりや首の痛みがツラいこともあると思います。

これはほとんどの場合は首と肩甲骨をつなぐ僧帽筋の痛みやその深い位置にある筋(肩甲挙筋や菱形筋など)の痛みです。

肩こりの原因となる筋肉をわかりやすく専門医が解説

2017.12.21

関節の痛みではないんですね。

 

といっても、筋肉が切れたり激しく損傷していることはほとんどなくて、筋肉の緊張状態で血流が悪く、凝り固まっているというのが典型的な状態です。

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眠れない肩の痛みの対処法をパターン別に

では、これらの肩の痛みに対してどのように対処するか?ということを解説いたします。

肩関節そのものの激痛で眠れない

まず肩関節そのものの激痛で眠れない場合、石灰沈着性腱板炎というものが多いということをお話しいたしましたが、

石灰沈着性腱板炎の激痛はなかなか自宅で工夫しても抑えられるレベルではないことが多いです。

そのためロキソニンなどの消炎鎮痛剤の内服や座薬などを使うのが一般的ですが、

それでもキツいというときにはステロイド注射をすると強力に効くことが多いです。

救急外来を受診しても、原則1日分の消炎鎮痛剤を処方するのが限度なので、昼間の整形外科の通常外来を受診することをオススメします。

 

ただ、夜中に突然の激しい痛みが出現して消炎鎮痛剤もないというときには、気付かぬ内の外傷(骨折や脱臼など)も否定は出来ないですし、痛みもどうしようもないと思いますので、受診できる救急外来を探して連絡してみましょう。

肩関節そのものの鈍痛で気になって眠れない

肩関節そのものの鈍痛の場合はどうでしょうか?

これも考えられる診断をリストアップしましたが、それぞれの診断のもとしっかりとした治療を整形外科で受けるということが前提になりますが、

その上で夜間の痛みで眠れないというのを少しでも解決するためにいくつかトライしてみていただきたいことがあります。

仰向け寝の人は横向きに寝てみてもらう

まず仰向けで寝ている人ですが、仰向けの場合は肩が開くように重力がかかり続けることもあってか痛みを訴える人が多いようです。

その場合、痛い肩を上にして横向きにすると少しラクという人もいます。

夜間痛の1つの原因として、普段は心臓より高い肩関節が寝るときは同じ高さになってしまうため、血の巡りのバランスが変わるということが言われています。

とすれば、痛い側の肩を上にして寝ることは、そういう意味でも効果があるかもしれません。

仰向けで寝る場合は肘の下にクッションを置く

そうは言っても気付かぬ内に寝返りを打って、仰向けになることもあるでしょうし、仰向けじゃないと眠れないという人もいるでしょう。

そんなときは肩が痛い方の肘の下に柔らかいクッションを置いて、肘の位置を少し高くします。
そうすると、重力によって開いていた肩もある程度、普段の位置に近づきます。

肩こりや首の痛みがつらくて眠れない

肩こりや首の痛みで眠れない場合は、一般的なことですが、これらのことを試してみたいところです。

枕の大きさの調整

まず首と肩甲骨の関係が大切ですから、枕がフィットしているかどうかの再チェックが必要です。

今は百貨店などいろいろなところでオーダーメイド枕を売っていますから相談してみるといいですよね。

保温・暖める

肩、首まわりの筋肉が冷えると余計に血流が悪くなりますから、ネックウォーマーなどを使って保温するなどもいいでしょう。

一度、整形外科受診を

ただ、肩こりや首の痛みで眠れないということが続く場合は、単なる肩こりやその延長線上の痛みで済ましていいか、少し心配になります。

他には頚椎椎間板ヘルニアや頚部の腫瘍があった患者さんもいました。

そういう意味でも肩こりのような症状でで眠れないというのは、放置していい症状とは言いがたいので、一度整形外科を受診していただければと思います。

まとめ

今回は肩の痛みで眠れないという時の原因とその対処法についてまとめました。

あなたはどのパターンでしたでしょうか?

一般的な対処法をお伝えしましたが、それでも改善しない場合はかならず一度、整形外科にご相談ください。

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おかげさまでたくさんのご相談をいただいております。どうしてもゆっくり時間をかけて1人1人と向き合えないのが悩みですが、それでも、患者さんの希望、理想的にはゴールをできるだけ掴んで、お手伝いできること・ご提供できることを常に探しながら診療しております。

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