水泳の肩の痛み 水泳肩のメカニズムを解説 by専門医

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歌島 大輔
歌島 大輔
スポーツ整形外科医師(非常勤)景翠会 金沢病院
スポーツ整形外科専門医師(川崎市立井田病院・景翠会 金沢病院・さくら通り整形外科 各非常勤医師)として外来診療・手術を行っている。ケガやスポーツ障害という「マイナス」から元通りという「ゼロ」を目指すのではなく、パフォーマンスに変革をもたらす「大きなプラス」を一緒に目指す情報発信やコーチング活動をライフワークとする。

今回は水泳をやっての肩の痛みがどこから来ているのか?という原因について考えてみたいと思います。

水泳における障害、外傷の中で肩の痛みは腰痛に次いで2番目に頻度が多い悩ましいものと言われています。

自分の肩の痛みの原因はどこにあるのか?を明らかにすることではじめて、効果的な治療や再発予防に繋がりますので参考にしていただければと思います。

こんにちは、肩を専門とするスポーツ整形外科医の歌島です。
本日も記事をご覧いただきありがとうございます。

それではいきましょう!

水泳でかかる肩への負担の特徴

まず水泳でかかる肩への負担の一般的な特徴を解説いたします。

水圧という特徴

まずは水圧です。水圧は動きによってあらゆる方向に圧力がかかりますから、日常的な重力ではかからない負荷が肩にかかるということは水泳の大きな特徴です。

極論すれば、生まれながらの進化の過程で適応してきた肩にとっては慣れない状態であるということですね。

圧倒的な繰り返し頻度

そして、その慣れない状態での肩の動きを1日何百回と繰り返しますよね。泳法がなんにしろ、何度も何度も水を掻いて進むのが水泳ですからね。これはオーバーユース(使いすぎ症候群)が起こりやすいのもうなずけます。

水泳肩は実際に中で何が起こっている?

それでは実際に水泳肩の人の肩の中では何が起こって、痛みを出しているのでしょうか?

これが明らかにならないと治しようがありませんね。

肩峰下インピンジメントが代表的

一番代表的なのは肩峰下インピンジメント症候群という状態です。こちらでも解説しておりますが、

インピンジメント症候群とは?肩専門医が解説

2016.12.12

クロールでは前方への推進力を水を掻くことによって効率よく得るために、いわゆる「ハイエルボー」という状態が推奨されます。

Young man swimming the front crawl in a pool

これは肘を高く保つということですが、実際には肩関節が内旋位をキープすることによって達成されます。

しかし、この内旋位をキープした状態で肩が挙上されている状態は、まさに肩峰の下に後外側に出っ張った大結節とそこに付着する腱板(棘上筋、棘下筋)が急接近する状態です。

この肩峰下インピンジメントの診察テストで有名なHawkins testに似た状態と言えます。

画像引用元:肩関節鏡下手術 (スキル関節鏡下手術アトラス)第1版 文光堂

つまり、肩峰下インピンジメント状態を繰り返しながら泳いでいるのがクロールと言えるわけですね。

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肩峰下滑液包炎→腱板損傷

その肩峰下インピンジメントの結果、肩峰下滑液包炎という炎症状態となり痛みが出ます。

こちらでも解説しております。

肩峰下滑液包炎とは? 専門医解説

2017.03.29

それでも続けていれば、いずれは腱板が切れてしまう腱板損傷に至ってしまいます。

肩腱板損傷に特徴的な症状はあるのか? 肩専門医解説

2016.12.11

SLAP損傷

また、かなり肩挙上、外転位(バンザイに近い状態)での肩の回旋運動が多い水泳においては、その動きで負荷がかかる上方関節唇損傷、いわゆるSLAP損傷も見逃せないものです。

野球肩に多いことで有名ですが、水泳肩でも念頭に入れて診察しております。こちらもご参照ください。

野球肩の症状から中で何が起こってるか推測! 専門医解説

2016.12.19

しっかりとした診察・検査を!

これらの病態は診察単純レントゲンMRIなどの画像検査で診断していくことになります。また、スポーツ選手の場合は負荷が強いので検査では大きな異常が出ないこともありますが、そういったときに威力を発揮するのが意外と注射だったりします。

「注射を原因と思われる部位にした後に動かしてもらうと痛みがなくなっている」

これはブロックテスト陽性と言って、原因診断において確信度の高いモノと言えます。

 

信頼できるいい整形外科医やトレーナー、理学療法士などと相談しながら一緒に治していきましょう!

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