肩関節鏡視下手術のメリットとデメリットまとめ

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歌島 大輔
歌島 大輔
スポーツ整形外科医師(非常勤)景翠会 金沢病院
スポーツ整形外科専門医師(川崎市立井田病院・景翠会 金沢病院・さくら通り整形外科 各非常勤医師)として外来診療・手術を行っている。ケガやスポーツ障害という「マイナス」から元通りという「ゼロ」を目指すのではなく、パフォーマンスに変革をもたらす「大きなプラス」を一緒に目指す情報発信やコーチング活動をライフワークとする。

今回は肩関節鏡手術のメリットとデメリットをまとめていきたいと思います。

近年、内視鏡の発達によって、整形外科の関節の手術においても内視鏡、すなわち関節鏡を使って、小さい傷で手術を行うことができるようになってきました。

一番多く行われているのは膝関節鏡かもしれませんが、関節の中も外も関節鏡で見ながら手術できるようになってきているので、応用範囲は肩関節鏡の方が大きいかもしれません。

ただ、何でもかんでも関節鏡の方がいいなんてことはありません。しっかり傷をあけて、直接見て、広い術野で正確に処置をすることの方がいい手術になることは多々あります。

ということで関節鏡がいいか、通常の手術がいいかはケースバイケースと言ってしまえばそれまでなんですが、一般的なメリット、デメリットを知ることは大切なことだと思います。

こんにちは、肩を専門とするスポーツ整形外科医の歌島です。
本日も記事をご覧いただきありがとうございます。

それではいきましょう!

肩関節鏡手術とは?

肩関節鏡手術とは細い筒状の関節鏡というカメラを小さい傷から関節の中や関節近くの深いところに挿入して、カメラ越しに手術部位を見ながら、また、別の部位の小さい傷から細いデバイス(ハサミや電気メスや糸やネジなどなど)を挿入して手術をすることです。

画像引用元:肩関節鏡下手術 (スキル関節鏡下手術アトラス)第1版 文光堂

肩関節鏡手術のメリット

肩関節鏡手術のメリットをまず挙げていきます。

arthroscope surgery

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三角筋などに対するダメージが少ない

一番は深いところの手術をするために普通の手術であれば、皮膚から順々に切ったり開いたりしていかないといけません。

肩の場合はアウターマッスルであり、肩を挙げる重要な筋肉である三角筋を開いたり、大きくよけたりしないといけないのですが、

関節鏡の場合はそれが小さい穴だけで済むので、ダメージが少ないと言えます。

画像引用元:肩関節外科の要点と盲点 (整形外科Knack & Pitfalls)第1版 文光堂

これは術後のリハビリにおいても有利になります。

傷が小さい

次に当然、傷が小さいというのはメリットになります。

実際は関節鏡の手術は多いときは5個も6個も小さな傷ができますので、合計すればあまり変わらないかもしれません。

しかし、一つ一つの傷が小さいと、それぞれが非常に目立たない傷として治癒しますので、やはり大きく切った場合より傷が目立たないということは言えるでしょうし、術後の痛み具合も関節鏡の方が回復が早いと一般的には言えます。

観察範囲が広い

関節鏡は小さい傷でいろいろな肩のスペースにアプローチできます。関節鏡を入れる方向を変えるだけで、関節の中を見て、次には外を見て、というようなことが可能です。

 

しかし、通常の手術で、関節の中を見ようとすれば、前からであれば、より深い大事な腱板筋である肩甲下筋を少し犠牲にする必要があったりと、大変です。

それ故、ちょっと関節の中も見たいなとか、逆に前から傷を開いたときに後ろ側も見たいなと思って、傷を大きく別に作るなんてことは現実的ではないわけですね。

そういう意味で関節鏡は傷が小さいながらも観察範囲はむしろ広いと考えていいです。そのメリットは、隠れている病変も見つけることができるということになります。

肩関節鏡手術のデメリット

肩関節鏡もメリットばかりではありません。

手術時間が長い

一般には手術時間は長くなりやすいです。特に経験がまだ浅い術者では顕著ですが、やはり、カメラでの小さい視野で細かいデバイスを出し入れしてやる手術ですので、時間はかかるのが一般的です。

術者によって差が出やすい

多くの手術は経験豊富な医師とまだ浅い医師とのコンビで手術が行われます。これは技術を伝え、実践でないと育てられない部分がどうしてもあるからですが、傷を大きく開ける手術であれば、先輩医師が丁寧にリードしてあげて、「ここを切って」「ここはダメ」みたいなやりとりの中で安全に手術を行えます。

しかし、関節鏡はどうしても術者が自力で何とかしないと、横から助けられることは限定的になってしまいます。

そのため、術者の経験、技能によって手術成績に差が出やすいということは言われています。

大きなデバイスや大きな操作はできない

例えば、骨を切って、人工関節を挿入したり、骨を移植したり・・・というような大きな操作は関節鏡ではできません。

どうやったって大きな傷が必要ですからね。

そのため、すべてを関節鏡でできるわけではないというのは紛れもない事実です。また、多少無理すれば関節鏡でできる手術もありますが、無理してするメリットが大きいならまだしも、傷を開けた方が上手くいく可能性が高いなら、そうすべきと考えています。

まとめ

肩関節鏡手術のメリットとデメリットを解説いたしました。一言でまとめると、経験のある医師が、しっかりとメリットが高いと判断して選んだ関節鏡手術は、やはり傷を大きく開けるよりもいい成績(術後の痛みの改善や関節可動域の改善など)に繋がりやすいと考えています。

少しでも参考になりましたら幸いです。

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