肩関節周囲炎に有効な3つのストレッチ

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歌島 大輔
歌島 大輔
スポーツ整形外科医師(非常勤)景翠会 金沢病院
スポーツ整形外科専門医師(川崎市立井田病院・景翠会 金沢病院・さくら通り整形外科 各非常勤医師)として外来診療・手術を行っている。ケガやスポーツ障害という「マイナス」から元通りという「ゼロ」を目指すのではなく、パフォーマンスに変革をもたらす「大きなプラス」を一緒に目指す情報発信やコーチング活動をライフワークとする。

今回は肩関節周囲炎に有効な3つのストレッチということでご紹介します。

肩関節周囲炎というのは四十肩や五十肩という俗称に対して、診断名として使われるものという考え方でいいと思います。
この肩関節周囲炎の結果、肩がカタくなってしまうことが多いのですが、そうならないようにストレッチをしていただくことは非常に重要です。

今回は3つに絞って、重点的にやっていただくといいストレッチをご紹介いたします。

こんにちは、肩を専門とするスポーツ整形外科医の歌島です。
本日も記事をご覧いただきありがとうございます。

それではいきましょう!

肩関節周囲炎の基本をおさらい

肩関節周囲炎とは?

四十肩や五十肩と呼ばれるものの多くがこの肩関節周囲炎という診断名になります。

その名の通り、肩関節の周りに炎症が起こるということです。

肩関節の周囲にはたくさんのいろんな組織(筋肉、腱、靱帯、骨・・・など)があり、実際、肩関節周囲炎ではさまざまな場所の炎症が痛みの原因となっています。

周囲炎とはどこが炎症している?部位別の原因を解説

その炎症の場所として、代表的な3つの場所について、その考え得る原因まで含めて解説したいと思います。

どの場所としても原因としては、

加齢性の変化 + オーバーユース(もしくは外傷)

という一言でシンプルには表現できてしまいます。

10代、20代の人がたくさん肩を使っても痛くなりにくいのは、加齢性変化がない、タフな肩だからですね。

逆に高齢の方で肩の痛みがない人は、あんまり肩を使ってないのかもしれません。

40歳、50歳くらいの人はその間で、加齢性変化も始まりながら、肩も相変わらずよく使うというのが大雑把な原因です。

それでは代表的な炎症部位を解説していきます。

腱板の炎症

まず腱板(けんばん)と呼ばれるインナーマッスルです。腱板というのは肩の前を走る肩甲下筋、上を走る棘上筋、後ろを走る棘下筋、小円筋とありますので、前が痛ければ、外側、後ろとどこも痛みが出ることがあります。

画像引用元:肩関節鏡下手術 (スキル関節鏡下手術アトラス)第1版 文光堂

この腱板の炎症は、まさに肩の使いすぎ、負担のかけすぎの典型的な結果であることが多いです。腱板の筋肉は肩を安定的に動かしてくれる働きを担っていますので、肩を使うときには常にじわじわと頑張ってくれているんですね。

比較的多いのは、肩峰下インピンジメントという状態です。

この状態から肩を上げていくと、大結節、腱板が肩峰の下に潜り込む。そのときに、インピンジが起こります。 画像引用元:肩関節鏡下手術 (スキル関節鏡下手術アトラス)第1版 文光堂

この状態では腱板が擦れてしまって、だんだんと炎症が起こってきてしまいます。こちらもご参照ください。

肩峰下滑液包炎とは? 専門医解説

2017.03.29

また、急激な力が入ったり、脱臼しそうになったりしたときに、ギュッと安定させてくれてもいますから、そういった強い力、外傷というのも原因になります。

上腕二頭筋長頭腱の炎症

次に上腕二頭筋長頭腱の炎症ですが、これもよくある状態です。肩の前方を走る上腕二頭筋の腱が炎症を起こすわけですから、肩の前方が痛い。特に肩をヒネったり、重いものを持って挙上したりするときに痛みが走りやすいです

この上腕二頭筋長頭腱に対する負荷のかかり方は、肩を挙上位置で、さらに肘を曲げる上腕二頭筋に力が入りっぱなしの状態で強い負荷がかかります。

それは重いものを持って、前方に差し出すような動きだったりします。

また、腱板断裂(けんばんだんれつ)がある場合は上腕二頭筋長頭腱に負荷が間違いなくかかりますので、炎症どころか、この腱も切れてしまうこともあります。

腱板疎部の炎症

最後に腱板疎部(けんばんそぶ)の炎症ですが、これは腱板の中でも前方を走る肩甲下筋腱と上を走る棘上筋腱の間の弱い、脆い部分を言います。この部分も筋肉と筋肉の間ですが、空白のスペースではなく、関節包(かんせつほう)という膜や、靱帯(じんたい)が走っています。しかし、腱板よりは弱い場所ですので、負荷がかかると炎症が起こりやすい、損傷しやすい部位と言えます。

これは肩の前方、やや上の痛みが典型的です。原因は腱板炎のように腱板に負荷がかかるような状態と共通です。

特に肩が外旋する位置で腱板疎部がピンと張りますので、その位置で負荷や強い力が加わると、傷めやすい、炎症を起こしやすいと言えます。

向かって左が肩の内旋、右が肩の外旋です。

肩関節周囲炎の治療の中でもストレッチは重要だが時期を注意

おさらいで述べたとおり、肩関節周囲炎の結果、だんだんと肩がカタくなって、上がらなくなる、回らなくなるという状態に陥ってしまうケースが多いんですね。それを凍結肩と言うわけですが、

そうならないためにも炎症、つまり痛みがある程度落ち着いてからはストレッチを重点的に行いましょう。

しかし、痛みが強い時期にストレッチで肩をいじめてしまうと炎症がもっと強まってしまうので、痛みが強い時期はやめておくか、非常に軽く、痛みが強まらない範囲でやるということを徹底します。

肩関節周囲炎のストレッチはこの3つ

さて、肩関節周囲炎のストレッチとして、基本となるものを3つご紹介いたします。

肩関節でカタくなりやすい、

  • 挙上運動=仰向けバンザイストレッチ
  • 内旋運動=スリーパーズストレッチ
  • 外旋運動=柱つかまりストレッチ

の3つの方向のストレッチをそれぞれ紹介しています。

仰向けバンザイストレッチ

まず挙上運動のストレッチです。

仰向けで寝て上げていくことで、腕が上がっていくにつれて重力がかからないようになり、90°をすぎると重力が逆にサポートしてくれるので力を抜けます。

手を持って挙げていくと、肘がだんだん曲がるだけで、肩は動いていないという状態になりやすいので、この動画のように肘を持って上げていくといいですね。

スリーパーズストレッチ

内旋運動については、スリーパーズストレッチという寝ながらできちゃうストレッチがオススメです。

これも楽ちんということが1つのオススメポイントですが、実際に効果も高いです。内旋するときにどうしても肩甲骨が逃げてしまうわけですが、肩甲骨が寝た状態で固定されているので、肩甲骨は逃げずに肩の内旋を加えていくことができます。

ただ、肩関節周囲炎の人でかなりカタい人は肘を前に持って来れないかもしれないので、その場合はできるところまででいいと思います。

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ストレッチは激痛に耐えてやるものではないので、気持ちいいと痛いの間くらいを目安にやっていきましょう。

柱つかまりストレッチ

次に外旋運動のストレッチです。外旋運動というのは先ほどの内旋の逆になりますが、わかりやすいのは肘を身体にくっつけた状態で、肘を90°に曲げて、手を外側に持っていくような動きです。

これを柱を掴んで、逆に身体を回していくことによって外旋のストレッチをしようというのが柱つかまりストレッチです。

注意点は肘が身体から離れないようにすることですね。

まとめ

肩関節周囲炎に有効なストレッチということで、基本の3方向に対するストレッチをご紹介いたしました。これを少しずつでも毎日継続することで肩がカタくなることを防いでいきたいですね。

少しでも参考になりましたら幸いです。

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