野球肩のトレーニング:3種の必須筋トレを肩専門医が解説

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歌島 大輔
歌島 大輔
スポーツ整形外科医師(非常勤)景翠会 金沢病院
スポーツ整形外科専門医師(川崎市立井田病院・景翠会 金沢病院・さくら通り整形外科 各非常勤医師)として外来診療・手術を行っている。ケガやスポーツ障害という「マイナス」から元通りという「ゼロ」を目指すのではなく、パフォーマンスに変革をもたらす「大きなプラス」を一緒に目指す情報発信やコーチング活動をライフワークとする。

今回は野球肩に必須のトレーニングについてです。

野球肩の予防ということもそうですが、
野球の投球(ピッチング、スローイング)において
肩をうまく使ってパフォーマンスを上げる上でも

必須となる3分野のトレーニングを解説します。

 

肩が重要なのは言うまでもないのですが、
その肩のトレーニングといって、、
肩だけを鍛えても、野球肩は防げず、
パフォーマンスも上がりません。

そのため必須の3分野は

  • 肩のインナーマッスル
  • 肩甲骨の可動性アップ
  • 股関節の可動性と安定性アップ

という3分野で構成されます。

 

野球肩という肩の障害のメカニズムを知ると、
今回の重要なトレーニングがこの3分野である

ということも腑に落ちるかと思いますので、関連記事もご参照ください。

 

こんにちは、スポーツ整形外科医の歌島です。
本日も記事をご覧いただきありがとうございます。

それではいきましょう!

 

野球肩に必須の筋トレ

このような視点で野球の投球動作を捉えると必要な筋トレもみえてきます。

それは股関節を中心とした体重移動からのエネルギーを
体幹、肩甲骨を介して腕に、ボールに伝えていく

という視点であり、

とすれば、

  • 肩のインナーマッスル
  • 肩甲骨の可動性アップ
  • 股関節の可動性と安定性アップ

この3分野が必須になると考えています。

肩のインナーマッスルトレーニング

投球動作中、
高速、かつ、幅広い動きを
要求される肩関節において、

その安定化作用を主に担うのが、
肩のインナーマッスル。

腱板筋群と呼ばれます。

詳細はこちらで解説しております。

野球肩におけるインナーマッスルの鍛え方・トレーニング法を専門医解説

2016.12.21

インナーマッスルというのは、
大きな力を発揮するモノではないので、
強い負荷をかけても効率が下がるばかりで、
トレーニングになりません。

効率が下がるというのは

強い負荷ではアウターマッスルに頼ったトレーニングになって、
結局、負荷が強くてもインナーマッスルは働かないトレーニングになってしまう

ということです。

そのため、弱めの負荷でトレーニングします。

イメージとしては、
弱めの負荷でも肩を安定的にゆっくり動かす。
もしくは、リズミカルに動かすことで、

肩の動作中に
よりインナーマッスルを使う

ということを脳に覚え込ませる。
そんなイメージです。

また、肩は消耗品と呼ばれる中で、
このインナーマッスルトレーニングを
「貯筋」トレーニングと呼ぶ人もいます。

では、このインナーマッスルトレーニングの
基本3つを紹介いたします。
動画をそれぞれご参照ください。

棘上筋を鍛えるトレーニング

これは棘上筋という筋肉のトレーニングで、
トレーニング中に肩甲骨の上の方が
熱い感じになれば効いている証拠です。

棘下筋を鍛えるトレーニング

これは棘下筋という筋肉のトレーニングで、
トレーニング中に肩甲骨の真ん中あたりが
熱い感じになれば効いている証拠です。

肩甲下筋を鍛えるトレーニング

これは肩甲下筋という筋肉のトレーニングで、
トレーニング中に胸筋の奥の方が
熱い感じになれば効いている証拠です。

肩甲骨の可動性アップトレーニング

さらに大切なものとして、
肩甲骨の可動性があります。

肩甲骨の動きが悪いと、

投球動作中での
肩から腕のしなりや、
ボールリリース後のブレーキ作用は

相当に肩関節単体で担うことになります。

これは肩関節にとっては悲鳴もんです。

「もう少し、肩甲骨に頑張ってもらわんと、
こっちは限界だよ・・・」

という状態になっちゃうわけですね。

 

肩甲骨というのも、
実は
内にも外にも、
上下にも、
かなり自由に動く関節です。

この動きを幅広く
ナチュラルに使えるようにすることが大切です。

こちらで詳しく解説しております。

肩甲骨周りの筋肉トレーニング 必須5つ+α 図と名称入り

2017.04.11

具体的な肩甲骨の筋トレとして必須の5種目をご紹介いたします。肩甲骨の筋肉はアウターマッスルである僧帽筋も含めて、安定化と大きく動かせることの2点が重要で、ものすごく重いバーベルのような強い負荷は必要ありません。

大きくゆっくり安定的に動かすということを意識してやりましょう。そして、解剖学的に鍛えている自分の筋肉がどこにあるのかを把握した上で、トレーニングにおいてその筋肉が徐々に「熱く」なるのを感じましょう。

CAT

まずいろんな記事で紹介していますが、CATというトレーニングです。ネコみたいに背中を丸めたり、逆に反らしたりするというトレーニングですが、

これは肩甲骨の内転・外転をできるだけ大きく動かすということを目的にしています。

注意点は背骨、腰を反らして丸めてということではないということです。
肩甲骨を思いっきり引き寄せて(内転)、思いっきり外側、前方に拡げて(外転)という動きの結果として、背中が沿って、丸まってという繰り返し動作になります。

肩すくめトレーニング

これはシンプルに肩をすくめるトレーニングです。シュラッグという名前でウエイトリフターにはなじみの深いトレーニングですね。僧帽筋の上部線維を鍛えるトレーニングです。

僧帽筋はアウターマッスルですから、負荷をどんどん上げていけば、筋肥大、筋力向上はどんどん進みます。ボディービルダーの首から肩にかけての盛り上がりはスゴいですよね。

ただ、多くのスポーツや日常生活において、そのレベルの筋肥大は必要ありません。それどころか、肩の動きの妨げになりかねませんので、一般的には特に大きな負荷はかけず、大きくゆっくり動かすということだけ意識してやってもらうのがいいかと思います。

僧帽筋下部線維トレーニング

僧帽筋下部線維のトレーニングとしては、うつぶせに寝て、肩を挙上した状態で肩甲骨を内側に引き寄せるという動きです。肩甲骨を引き寄せることによって肘が上がるような動きをゆっくり大きくやるということです。

前鋸筋トレーニング

前鋸筋のトレーニングとしては、このように仰向けに寝て、ダンベルを持って肘伸ばして、真上に腕を持っていき、そのまま肩甲骨だけを動かして、ダンベルを真上に持ち上げるというトレーニングです。

菱形筋トレーニング

菱形筋のトレーニングはうつぶせになって、肩甲骨だけを内側に引き寄せるようにゆっくり、できるだけ大きく動かすということをやります。

股関節周囲のトレーニング

最後の3つめは
股関節周囲筋群の筋トレです。

股関節は
投球動作の大元

エネルギー源,かつ
土台です。

それは前半の体重移動の解説部分をご覧いただくとよくわかるかと思います。

特に土台としての作用が
肩にとっては大切で、

股関節がぐらつけば、
体幹がぐらつき、

肩甲骨の動きが制限され、
肩関節に負荷が強まります。

これはパフォーマンスの低下にも結びつきます。

 

股関節は下半身の「肩」
とも言っていい関節です。

それはそうですよね。
四足動物では後ろ脚と前脚の関係ですから。

それは進化の後も、
似たところがあって、

連動します。

 

そして、関節自体も似ています。

股関節も肩ほどでないにしろ、
多方向に幅広く動く関節です。

だからこそ、
あれだけの幅広いステップと
そこからの骨盤の回旋運動を行えるわけです。

 

逆に言うと、
やはり負荷がかかりやすく、

筋力の影響を受けやすいと言えます。

 

安定化のトレーニングとしては、
ものすごい重量のウエイトトレーニングをやるより、

多方向へ安定的に動かす
ということを目的にしたトレーニングがオススメです。

こちらの動画をご参照ください。

 

まとめ

今回は野球肩において必須といえる筋トレを
3分野に絞ってお伝えいたしました。

少しでも参考になりましたら幸いです。

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おかげさまでたくさんのご相談をいただいております。どうしてもゆっくり時間をかけて1人1人と向き合えないのが悩みですが、それでも、患者さんの希望、理想的にはゴールをできるだけ掴んで、お手伝いできること・ご提供できることを常に探しながら診療しております。

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